子どもたちが、いつかライフジャケットを脱ぐ時を想定して

毎年、夏になると水の事故のニュースが流れてきます。

実際、どれくらいの方が無くなっているのでしょう。

調べてみました。

 

平成29年度の水難

警察庁平成29年における水難の概況

全体

発生件数 1,341件

水難者 1,614人

水難者のうち死者・行方不明者 679人

子ども(中学生以下)

発生件数 144件

水難者 206人

水難者のうち死者・行方不明者 26人

場所・行為別

死者・行方不明者 679人について、場所別にみると

海 384人

河川 174人

行為別にみると

魚とり・釣り 219人

水遊び 61人

水難者のうち死者・行方不明者 26人については、

河川17人

と川での事故が半数以上となっています。

なぜ川は怖いのか

水の比重が違う

基本的な知識ですが、海の方が体は浮きやすいです。

これは、水を1としたときの海水の比重が1.023と 海水の方が重いからです。

平均的な人間の比重は水と同じ1とされていますので、海水の方が浮きやすいということです。

ちなみに、水も1、人間の体も1ということは、息を思いっきり吸えば浮き、息を思いっきり吐けば沈むということで、一度試してみるといいですね。

水圧

川には流れがあります。

流れが強い場所では、膝程度の水深でも動けなくなります。

踏ん張りが利かなくなって、あっという間に下流に流されてしまいます。

下流が浅瀬ならいいですが、浅瀬がなければ、ライフジャケットを着ないで遊んでいたら・・・。

ホワイトウォーター

川底が急に落ち込んでいるところ、岩の下などは、白く泡立っている場所があります。

あれがホワイトウォーターです。

白いのは空気の泡です。

つまり、水の中に空気が混ざっている状態です。

そこでは浮力が思いっきり奪われて沈みます。

私自身、原理を知ったうえで自分の体を使って検証しました。

急にガクンと沈みました。

ライフジャケットをつけていても沈みますので、知らない子どもならパニックになってしまいます。

また、岩や障害物の関係で浮遊物が同じ場所をくるくる回っているような場所、これはバックウォッシュと呼ばれ、ここも空気の含有量が高く危険です。

浮遊物と同じようにその場所から逃れられずに水を飲んで溺れてしまう。

岩がある

川はプールではありませんので岩があります。

水面に出ている岩なら認識しやすいですが、水面下にある岩はあたって初めてわかります。

(慣れればある程度ならいわかりますが・・・)

だから、川流れをするときはプールのように頭を前にして泳ぐ体制だと胸を強打します。

岩がありそうなところでは、足を前に出して足で岩を確認しながら進むというのが正しい姿勢になります。

これなら打ったとしても肉厚なお尻ですみますから。

 

海の危険ポイント

釣り場

海で怖いポイントもたくさんありますが、気を抜きやすいのが泳ぎに行った時ではなく、堤防釣りや磯釣りの場。子どもが遊んでいて誤って海に落ちてしまう場合、高潮に巻き込まれる場合などです。

堤防の下、3mなんてところに落ちると引き上げることが出来ません。

磯は岩だらけですので、叩きつけられたらもうズタズタです。

落ちても助けにいけないところ、這い上がってこれないところには子どもを連れて行かないというのが一番の対策です。

 

離岸流

 

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戻り流れ

 

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千葉県の外房は遠浅なのでここまでの波があるところで海水浴というの少ないですが、天候によっては似たような波がくる場所もあります。(海水浴場ではありませんけど)

ライフジャケット

水の事故に対して、ライフジャケットを着せましょう、ライフジャケットを着ていれば、という声が上がります。

実際、ライフジャケットを着ていれば多くの事故は防げたでしょう。

でも、多くの子どもたちはいつか青年になり、大人になり、ライフジャケットを身につけないで海や川で遊ぶようになるのです。

友だち同士で遊びに行った時にみんなライフジャケットをつけないで遊ぶこともあるでしょう。

ライフジャケットどころか水着すら用意しないで遊びに行った先で水に入ることもあるでしょう。

目が届く子どものうちから、様々な危険を知識として知り、体で知っておく必要があります。

ですから我が家では海や川に遊びに行くと、まずは子どもたちを自由に遊ばせずに、私が危険ポイントのチェックをします。

実際に流れてみて、危険度をチェックします。

そして、子どもたちの海や川での泳力からして、危険度が高いところはライフジャケットは必須。

これくらいなら大丈夫なところは、本人の意向でライフジャケットなしで遊ばせています。

危険に慣れておく、危険を体で感じておくために、ライフジャケットが邪魔になるんです。

川でライフジャケットを身につけた時の泳ぎ方、身につけないときの泳ぎ方、

海でライフジャケットを身につけた時の泳ぎ方、身につけないときの泳ぎ方、

全部異なります。

いつかライフジャケットを脱いで自然遊びをする日の為に、

川や海の危険を体で理解し、生き残れるように。

目が届く間に鍛えておこうと思っています。

 

たまにしか川や海に行かない家庭や幼児にはライフジャケットは必須ですよ!