70年ぶり大改革、改正漁業法

釣りや投網で獲った魚は、基本食べる事にしています。

食べない生き物はすぐにリリースします。

カニクサフグを堤防に放置して死なせる釣り人もいますが、私は全部逃がしています。

ただクサフグはこれからは大きいものは食べる事にしますけど♪

投網を始めたことにより、以前より魚を資源として意識するようになりました。

最近気になったニュースをいくつか。

「70年ぶり大改革」で日本漁業は復活するか

水産政策における「70年ぶりの大改革」となる改正漁業法が12月8日に可決・成立し、同14日に公布された。これから法の運用に関する細目を政省令で定め、施行は2020年となる見込みだ。

なぜ今、漁業の大改革なのか。改革の目的について、政府は「水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢バランスのとれた漁業就業構造を確立すること」と説明している。国会審議で吉川貴盛農林水産相は「漁業生産量が長期的に減少し、漁業者の減少・高齢化も進む中、改革は待ったなし」と訴えた。

かつて世界一を誇った日本の漁業生産量は、ピークだった1984年の1282万トンから2016年には436万トンと3分の1に激減した。1982年の国連海洋法条約で200カイリが各国の排他的経済水域EEZ)に設定され遠洋漁業が縮小したことや、海洋環境の変動によりマイワシの漁獲量が大幅に減ったことが大きいが、実効性のある資源管理が行われずに乱獲や密猟、外国漁船による違法操業が増えたため、多くの魚種の資源量が減少したことも

引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/257298

 

漁業、70年ぶり抜本改革 「地元優先枠」なくす改正案

おいしくて安い魚が食べられるようになるのか。水産業の斜陽化に歯止めはかかるのか。安倍晋三首相が「70年ぶりの抜本改革」と力を込めた漁業法改正案。参議院での審議が大詰めを迎えている。企業の技術や資本を生かして、漁業を「成長産業」へ転じるのが狙いだが、現場の漁業者からは「海や漁村の荒廃を招きかねない」と懸念の声も上がる。

改正案は6日、参院農林水産委員会で審議された。近く採決される見込みだ。

主な柱は、船ごとに漁獲量を割り当てる資源管理の導入と、養殖・定置網の二つの漁業権の「地元優先」枠をなくすことだ。後者には、漁業への企業参入を促す狙いがある。

沿岸で養殖などを営むのに必要な漁業権の免許はいま、地元漁協などに最優先で与えられている。歴史を踏まえ、「沿岸の海を使い、守るのは地元」という了解があったからだ。

外部の企業が漁協に入らずに養殖を営むには原則、地元漁協などが名乗りをあげないことが条件となっており、権利を得て養殖に乗り出しても、免許更新時に地元漁協が申請すれば権利を失う。

改正案はこれをやめ、「地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者」に新たな漁業権を与える。免許更新の際は、漁場を「適切かつ有効に活用」しているかを基準とする。判断するのは都道府県知事だ。

「古い仕組みが企業に参入をためらわせていた。漁協でも企業でも、きちんと漁場を使う人に権利を与えるための改正だ」と水産庁は説く。

13年現在で、全国の漁業就業者数は18万人。この30年間で6割近くも減った。吉川貴盛農水相は「将来にわたって、持続的に漁場生産力を高める」ことが大切だと国会で答弁してきた。

東京大学の八木信行教授(水産政策)は「現行法ができた戦後と違い、今は漁業者が減っている。改正案は、現実に合わせて、参入への規制をバランスに配慮して緩やかにするものだ。国産水産物の減少に歯止めをかけ、新たな商品開発につながる可能性もある」と話す。

漁業法改正案の主な内容
資源管理の見直し

・漁獲量の上限を決め、船ごとに漁獲枠を割り当てる管理を基本に

・漁船の大きさの規制を緩和

漁業権の見直し

・養殖や定置網漁で地元の漁業者らを優先するルールを撤廃

・「地域の水産業の発展に寄与すると認められる者」に新しい漁業権を付与

その他

・海区漁業調整委員会の公選制を廃止し、知事が任命

・密漁の罰金を最大200万円から3千万円に引き上げ

引用元:https://www.asahi.com/articles/ASLCY659MLCYUTIL041.html

 

 

イワシの漁獲量が減ったとありますね。

偶然知った面白いブログにこんなことが載っていました。

 

漁師の常識
シラス名の魚は居ない。
チリメンジャコと言う魚は居ない。

シラスやチリメンジャコは旨い魚だ。しかし、このような名前の魚は世界中の何処の海にも居ない。正体はイワシ類を主体とした各魚種の稚魚なのである。
蚊帳の網目ほどの細い網目でのトロール網で一網打尽に漁獲するが、この際問題なのは、希少魚やイカ類を含む、あらゆる魚の幼稚魚も混獲してしまう・・・困ったものだ・・・

近年は、探索機器や漁具の発達で乱獲が進み、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ、キビナゴなどのイワシ類が激減し、同時に仔魚が混獲されるイカ類や大型魚も沿岸から消え去る運命。

 

シラスやアミ類などのプランクトンは、各魚種の幼稚魚が求める海の肥料であり、イワシ類はあらゆる魚やイカ類の主食なので海の米と言っても過言ではない。
一本釣り漁師は、イワシ類の乱獲がイカ類や真鯛、イサキ、ハマチ、アジ、サバなどのなどの釣り魚を激減させたと嘆き、「3年間でいい・イワシ漁を止めれば、何処にも大魚が湧く」と。

「シラス漁」と偽称して、各種の幼稚魚を獲る漁を許可している野蛮な国は他にないそうだ・・・漁業後進国の証なり・・・

 

刺し網を海で使うのは合法か違法かを調べていてこのブログにたどり着いて、一気に全部読破しました。

面白いですから、是非。漁師の常識

あと、密漁についてもいろいろ調べていたらこんな記事を見つけました。

 

暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」のリアル

表社会と裏社会の絡まり合うサカナの世界

これまでなぜか語られることのなかった食品業界最大のタブーを真正面から取り上げながら、1ミリの正義感も感じさせないのは、著者の真骨頂である。そして、もはやヤクザの世界に精通していなければ読み解けないほど、サカナの世界では表社会と裏社会が複雑に絡まりあっていた。

まず驚くのは、私達が普段手にする海産物のうち、密漁によって入手されたものの割合がいかに多いかということである。いずれも推計ではあるが、たとえばアワビは日本で取引されるうちの45%、ナマコは北海道の漁獲量の50%、ウナギに至っては絶滅危惧種に指定された今でも、その3分の2ほどが密漁・密流通であるという。ニッポンの食卓は、まさに魑魅魍魎の世界によって支えられているのだ。

著者が最初に赴くのは、アワビの名産地として知られる三陸海岸東日本大震災の影響によって監視船や監視カメラが破壊されてしまったこの地区では、密漁団にとって好都合としか言いようのない状況が出来上がっていたのだ。

密漁団と直に接触することで見えてきたのは、実際に密漁を行う人たちは巨悪の一部分に過ぎないという事実だ。当たり前のことだが、買い手がいるから売り手がおり、売り捌くことが出来るからこそ密漁は蔓延る。

欲に目がくらんだ漁業協同組合関係者、漁獲制限を守らない漁師、チームを組んで夜の海に潜る密漁者、元締めとなる暴力団……。まさに表と裏が入り乱れた驚愕のエコシステムが、そこにはあったのだ。

一般的に、密漁アワビは闇ルートで近隣の料理屋や寿司屋にも卸されるが、それだけでは大きな商いにならないため、表の業者の販路に乗せ、近場の市場にも流されていく。むろん移転を間近に控える築地市場だって例外ではない。

引用元:https://toyokeizai.net/articles/-/241486

 

私たちが口にしている魚介類も密漁ルートからの流通という可能性が高いということですね。

知りませんでした。

改正漁業法で罰則が強化されますので、暴力団がらみの密漁を抑えることが出来るのならその部分は良いですが、大企業が漁業に進出して来たら、利益を追求するあまり、乱獲、乱獲で魚が捕れなくなってしまうかもしれないと警鐘を鳴らしている識者もいますので、ちょっと心配をしています。

実際のところはどうなるんでしょう。