自然遊びで、五感が、そして学力が育つ!
遊んだ記憶
子ども時代を振り返ってみると、小学校から帰ったらランドセルを放り投げて暗くてお互いの顔が見えなくなるまで遊んでいました。
いや、ランドセルを背負ったまま遊んでいたような気が・・・。
休日に自転車で1時間かけて川に釣りに行ったこと。
田んぼに入ってザリガニやカエル、亀を捕まえたこと。
家族で行った海で魚を追いかけたこと。
今でもその匂いとともに楽しかった感情がよみがえってきます。
田んぼに入って叱られたことなど、親に言われても思い出せないのに(笑)
子ども時代に遊んだ記憶は一生の宝物です。
遊んだ記憶は一生の宝物!
忙しい子どもたち
今の子どもたちを見ていると、本当に忙しそうです。
学校から帰ってきたら宿題がたっぷりあります。
習い事も日替わりであります。
週末にはスポーツ少年団の練習と試合があります。
都会に住む子なら、普段の生活では自然に触れる機会がありません。
勉強は大切です。
スポーツや習い事に一生懸命取り組むのも大切です。
でも、子ども時代はもっと大切なことがあるように思います。
もっと、遊ばせて!
もっと、遊べ!
と心から思います。
もっと、あそばせよう!
自然遊びで五感が育つ
五感とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、古来の分類による5種類、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をさす。この伝統的な分類を前提として、人間の感覚全体を指すために「五感」という表現が用いられる場合もある(「五感を鋭くする」など)。 (ウィキペディアより)
情報量の多い自然の中での遊びは、子どもたちの五感を大いに刺激します。
視覚
新緑のみどり、色づく紅葉、雪の白さ、生き物の体のつくり、昆虫を引き寄せるきいろい花、くさはらに隠れたカマキリを探すことでも視覚は育っていくことでしょう。
聴覚
川のせせらぎ、打ち寄せる波、鶯の求愛の声、カエルの大合唱、秋の虫のオーケストラ、耳を澄ませば無意識に通り過ぎていた音が耳を通して心に飛び込んでくるでしょう。
触覚
焼けた砂浜、チクチクする芝生、動物の体温、土の冷たさと暖かさ、一つ一つ違う手触り肌触り、すべてを言語化駅ないほどの多様な刺激を感じ取ることでしょう。
味覚
海の水の塩辛さ、さつきの蜜、試して口にした樹液の苦さ、釣った魚の刺身、畑のトマト、ゴーヤの苦み、人工的な刺激の強い味を遠ざけておけば、繊細な味の違いが分かるようになるでしょう。
嗅覚
磯の匂い、潮の匂い、川の匂い、森の土の匂い、花の匂い、田んぼの泥の匂い、牧場の近くを通った時の臭い、記憶と強く結びつきやすいのが ”匂い” であり、”臭い” でもあります。
机の上では、エアコンの効いた室内遊びでは得られない、自然の中での実体験からしか得られないものがあります。
自然の中で遊んで、楽しく五感を育てよう!
自然遊びで学力が育つ
ノーベル賞受賞者の子ども時代
ノーベル賞を受賞した研究者達の子ども時代のエピソードでよく目にするのが
「野山を駆け回っていた。」
「外で遊んでばかりいた。」
「外で遊ぶのが好きだった。」
「手におえない腕白だった。」
というような話です。
自然というのは、とても複雑で思い通りになるものではありません。
トラブルは当たり前、わからないことが当たり前、そこで問題解決力や創意工夫力が培われたり、好奇心や探究心が強まったりするのでしょう。
設問解答型の勉強をいくらやっても、体験を伴わない知識が増えるだけで、実体験に基づく知恵や問題解決力は身につかないでしょう。
実体験には勝てない
受験勉強の為に、春の植物を覚えさせようとしたとします。
写真と植物の名前を何度も何度も見せてテストをします。
やっと覚えたと思ったら、端から忘れていきます。
これは、無理のないことなんです。
写真と名前という少ない情報量では、深く記憶に焼き付けることが出来ません。
例えば、お母さんと散歩しながら、タンポポを積んで帰り、お浸しをつくった子。その子とお母さんは夕ご飯の時に
「今日はたくさんタンポポが咲いていたね。」
『そうね、背の高いタンポポも背の低いタンポポもあったわね。』
「どうして背の高さが違うんだろう。」
『ねぇ どうしてかしらね。ママも知らないからわかったら教えて!』
「うん、後で調べてみる。」
『お浸し美味しい? タンポポが食べられるなんてママ子どもの頃は知らなかったわ。』
「私も知らなかった。明日みんなに聞いてみよっと。」
『そういえば、春の原っぱって黄色い花が多かった気がしない?』
「そういえば黄色が目立っていたわ。」
『クイズ、何で目立つ黄色が多いんでしょうか?』
「う~ん どうしてだろ?」
『ヒント、目立つと誰かが見つけやすいです。』
「わかった、蜂や蝶が見つけやすいんだぁ
そうしたら、花粉を運んでもらえるから花は嬉しいんだ。」
『そう、花は子孫を残すために花粉を運んでもらいたいからね。』
という会話を楽しんだ子のタンポポに関する理解度。
実体験がなく、机の上でテキストを見て何度も問題を解いている子が勝てるはずがありません。
情報量が多い
人工的なものは単純で情報量が貧弱です。
一方、自然は複雑で膨大な情報量です。
自然と遊ぶということは、この複雑で膨大な情報を瞬時に受け取り、脳はそれを処理しているのです。
フラッシュカードや計算問題で脳を活性化するなどという話もありましたが、自然を相手にした時の脳の動きは、それらとは比べ物になりません。
質の良い遊びは学力を育てる!